「めのうの店 川島」スタッフMです。
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出雲大社では各月様々な神事が執り行われますが、8月には特殊な神事「神幸祭」が執り行われます。
神幸祭はどの神社でも執り行われる神事で、「そのお社に鎮座する神様を神輿に移し街を一周する」もの。
しかし出雲大社での神幸祭は別名「身逃げ神事」とも呼ばれる、ひっそりとした神事なのです。
神様を神輿に移して街を一周するという意味では一般的な神幸祭と変わりないのですが、出雲大社の神幸祭は少し特殊です。
①出雲大社の禰宜{神職}が3日間ほどの穢れ祓いの儀式を行った後、自身に神(オオクニヌシ)を降ろす。
②深夜1時に塩掻島へ向かい(=巡行)、翌日の神事「爪剥祭」のための塩を掻く。
この巡行の間に誰かに出会ってはならず、出会った場合には巡行をやり直ししなければならない
③神事の締めくくりに一行は出雲國造館にて祭場を拝する。しかしこの出雲國造館を居とする出雲国造(神職No.1)自身は、一行から逃げるように親族の家に宿泊し、祭事が済み次第國造館に戻る。
「身逃げ」神事という別称はこの「親族の家に宿泊する=身逃げ」ことに由来すると言われています。
しかし、本来であれば神職No.1である出雲國造りが神幸すべきところを、なぜ神職No.3の禰宜が神幸するのでしょうか。
このことについては諸説あり、説明は長くなるので割愛しますが、神事に二面性を持たせるためだったという説が多いようです。
大和朝廷・出雲のどちらに対しても、出雲國造りの立場を都合よく見せるために不思議な神事になっていると言われています。
気になる方はご自身で調べてみると面白いかもしれません。
全国の神社で執り行われる様々な神事にも、各神社特有の理由が潜んでいるかもしれませんね。