人工鉱物の是非

「めのうの店 川島」スタッフMです。
いつも当店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

まだまだ猛暑の域を抜けきらない日々が続きますが、暦の上では9月に突入しました。
さて、昨年のお話ですが、島根県の「三瓶自然館サヒメル」という博物館において、「ときめく鉱物展」という企画展が開催ました。
非常に大きなアメシストドームや大きな日本式双晶、あまりお目にかかることの出来ない珍しい鉱物等、面白い鉱物が盛りだくさんで、非常に見ごたえのある鉱物展でした。

ところでこの「鉱物」の定義とは一体どういうものなのでしょうか。
鉱物とは厳密には
 ①天然(自然界)に産出し、
 ②ある一定の化学組成を持つ、
 ③固体の物質
のことを指します。
例えば、自然界に存在する水晶は鉱物ですが、人工的に造られる”人工水晶” は結晶構造を持っていても鉱物からは除外されます。
また活動中の生物がつくり出すもの(ex.骨・歯・貝殻)も鉱物から除外されますが、これらに関しては「生体鉱物(バイオミネラル)」とも呼ばれ、広義の鉱物とされることもあります。
珊瑚・琥珀・真珠などが該当し、ジュエリーとして宝石店などで見かける非常に美しいものですね。

ただ、人工鉱物が「悪」であるかかというと、決してそうではありません。
合成ダイヤモンドは、例えば身近なところではフライパンなどのコーティングにも使用されています。
これは耐摩耗性による表面の耐久性を追及しただけではなく、熱伝導性が良い性質から熱を早く・無駄なく食材に伝える効果もあるからです。
また工業用としては研磨や穴あけ/切断工具の原料としてなくてはならないものでしょう。
人工サファイアは、その高い透明性・硬く傷がつきにくい特性を活かして、腕時計のカバーガラスや軸受けなどに多く使われています。
近年ではスマートフォンのカメラの窓、指紋認証センサーカバー窓などにも多く用いられるようになりました。

私達を大きく助けてくれているこのような人工鉱物は、地球が生み出した天然鉱物の神秘の構造のお陰なのです。
天然鉱物のその神秘の構造に感謝しつつ、その美しさを愛でたいものですね。